築37年のマンションのフルリフォーム-5
築37年のマンションを一新!
昨年6月より担当していたプロジェクトが、引き渡しを迎えました。
老朽化した昭和の空間を、空間も機能も生活スタイルも根底より一新すること、
マンションリフォーム設計及び工事の中で難易度の高い、フルリフォーム、
スケルトンリフォームとも言いますが、リノベーションにチャレンジしておりました。
本日の紹介は、「リフォーム専門業者が放つ胡散臭さ」について
建築施工業には建設業とリフォーム業と分離することができます。不思議
な「溝」があります。かつて教育業界にいた立場から(事実を)お話ししま
すと就職活動する学生のほとんどはリフォーム業に進むことはないです。
建築学科の学生が門を叩かないけど建築の仕事をする不思議な世界があります。
その最前線を体験する機会がありました。
数社のリフォーム会社から見積もりを取りました。
有力候補A社は、某大手ホームセンター系リフォーム会社。ホームページに
よると”マンションリフォームでは「ユニットバス(1216タイプ)+洗面化粧台
ユニット(内装工事付き)+トイレ便器(内装工事付き)で100万円を切った
価格でサービスします”というアピールをしています。
B社のWEBでは”水まわり4点セットで99万円(税別)”というのもあった。
スゴイっ!!と思って「詳細のページ」のアイコンをクリックすると、
「マンションリフォーム4点パック:ユニットバス+トイレ(天井、壁、床を
張り替え工事込み)+キッチン(同工事込み)+洗面化粧台(同工事込み)の
セットプランで特別特価199万円で!と。。。。
4点99万のはずが199万に!キャンペーンの趣旨がすり替わっています。
見積もりの結論から言いますと、3点セットとか4点セットで99万円!のよう
なキャンペーンをしているA社、B社の出してきた金額は想定金額をはるかに超
えた金額でした。4点199万であるならば確実に安くなるはずなのに異常な金額
の提示でした。わかったことはキャンペーンのようなセット商品があったとして
も見積書の書き方次第で(設計事務所がいようがいよまいが)金額を何倍にも
高くすることは可能です。
左手側の壁は鉄筋コンクリート造で構造上有効な耐力壁です。
その他の壁は木製の間仕切り壁です。
壁にある木製建具はトイレのドアで高さが約1.8m弱と現在の基準で
は出入りするには頭をぶつける可能性もある低さです。ただしこのドア
の上部にある壁は「梁」の機能を持つだけにドアの高さを高くする事
はできません。
便所のドアの形状はそのまま変更せず、正面の主寝室のドアは天井
一杯の高さを確保しました。出入りの機能性だけでなく狭い廊下状
空間が少しでもシンプルにし素材感、テクスチャーを揃える事によって
狭さを意識しないような試みをしています。
[建築家.米村和夫建築アトリエ/風のアトリエ URL]090-9847-3200
神奈川県藤沢市湘南の建築家(米村和夫建築アトリエ1級建築士事務所)が鵠沼海岸
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