田園風景まっただ中の家(千葉県四街道市の家)
老後の生活,家庭菜園,大きな縁側…モダン農家(民家)をめざして!
私(米村)の教え子から、ご両親が住む住宅の依頼をいただきました。教え子とのコラボレーションでつくった家です。
敷地は千葉県四街道市の、さらに郊外。偶然にも、すぐ近所の市営霊園には私の祖父と祖母が眠っています。そんなご縁あってのプロジェクトです。
「土着的(バナキュラー)建築」という言葉があります。地域に根ざした建築や、民俗的建築という意味です。
このプロジェクトでは、その視点で家をつくることが重要なテーマでした。生活感を隠すのではなく、あえてオープンに。
農村の風景に溶け込むように、手づくり感を大切にした民家風・カントリー風の住宅を設計しました。
メキシコを代表する建築家、ルイス・バラガンの手法を参考に、ポイントでアクセントカラーを塗ることを提案。
教え子が選んだ赤をバルコニーの一部に塗り、モダンな雰囲気を出しています。
ご両親の老後の生活拠点となることを考えれば、冬も夏も快適な環境にすることは必須です。
現代建築の手法を用いて、バリアフリー、オール電化を実現したモダン農家(民家)が完成しました。
家の中と外を緩やかにつなぐ役割を果たすのは、広々とした縁側。そこに干し柿や大根が吊るされる光景を見てみたい、家は生活してこその価値があるものだから。
撮影:BAUHAUSNEO 後関勝也