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木造建築の円形壁についてお話しするシリーズの3回目です。
1回目、2回目の記事は以下からご覧いただけます。
建築豆知識:木造の家でも、丸い壁は作れる?その1〜骨組みを作る「大工の神業」
建築豆知識:木造の家でも、丸い壁は作れる?その2〜外壁の仕上げ「リシン吹付」

今回は、完成直前の箱根の宮城野の別荘から、Web担当スタッフのMKがレポートをお届けします(2024年6月取材)。

外から見た階段室の円形部分

円形の階段室を外から見ています。基礎部分はこれから化粧仕上げをします。

この別荘では「自然環境の中に、人工物となる建築物をいかに共存させて、新しい非日常空間を作り出せるか」と言う挑戦的なテーマに取り組みました。円形の階段室部分の外壁は、素朴で温かみのあるモルタル塗りです。

円形の壁を作るためには、コンクリートの基礎部分も円形にしなくてはいけません。それには高度な技術が必要です。
写真を見ていただくと、基礎がきれいに丸くなっていることがわかると思います。高い技術を持った工務店との連携によって、実現できた建築です。

「円」がモチーフの階段室

では、円形壁の内側に入ってみましょう。

この階段には、これから手すりを取り付けます。

階段に使われているのは、屋久島の杉材です。木目や色むら、節などをあえて生かすことにより、木の暖かみを感じられる空間になりました。建築主が自ら選んだという照明が、階段室を柔らかく照らして、外国に来たかのような雰囲気を作り出しています。

円形の開口部があるので、階段を上がっていく際に2階の様子がちらっと見えて、期待が高まります。

階段を上った先の2階には、暖炉(薪ストーブ)が設置されます。敷地内に生えていた杉の木を伐採したときに出た枝などが燃料になる予定です。寒い冬でも、憩いの空間になることでしょう。
木の伐採については、こちらの記事で詳しくご説明しています。
建築豆知識:別荘地に木が生えていたら、誰に伐採してもらう?

これまで3回にわたって、丸い壁のお話をしてきました。
木造建築で円形の壁を実現させるためには、設計や施工の段階でクリアしなければいけない技術的な課題がありますが、決して不可能ではないと、おわかりいただけたのではないでしょうか。
当事務所では、他にも円形形状や円をモチーフとした壁、天井、屋根形状など多数の実例があります。
「丸い壁や天井を作ることはできるだろうか?」と思ったら、まずはご相談ください。

家づくりに関して疑問に思うことがあれば、こちらもご覧ください。
家づくりQ&A

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