リフォームこそ建築家(設計事務所)の設計監理を!
建築業とリフォーム業、同じ業種に思われますが、その2つの業種の間には大きな違いがあるようです。
私は、10年以上にわたり建築の専門学校で非常勤講師をしてきましたが、ほとんどの学生はリフォーム業界には就職しません.就職したのを見たことがありません.優秀な学生が会社訪問をしようとするのを学校側が説得して引き止めてる光景は見たことがあります.
リフォーム業界のシステム,許認可制度に問題があります.専門知識がなくても、建築士の資格がなくてもリフォーム会社を運営出来.素人同然の人が経営したり現場を指揮していることがあります。よって悪質な営業行為が横行する背景がこの業界にはあります.
新築,増築,リフォームに関係なく建築の専門家による設計監理は必要です.予算に応じた図面を作成して見積りを確認して工事契約を行ってから工事に着手します.建築家(設計事務所)がパートナーであり,代理人として入る事により,建築主の不安とリスクを確実に回避します.そして出来る空間の価値が違うことをお約束します.
「リフォーム業者の落とし穴」もご覧ください。
このようなリフォームをしたら終わりです!
この写真は弊社が担当したあるリフォーム現場の解体中の写真です,何と10年ほど前に行ったリフォーム工事時に筋交いが切られて窓が施工されてしまいました.筋交いのある壁は「耐力壁」といい,建物の重さを地面に伝え,地震による揺れ,台風等の横から受ける力を受けて踏ん張る機能(耐力)を持っています.柱と同じ様に重要な壁です,耐力壁に窓はつけれません.付けれたとしても柱と筋交いを外した所にしかつけれません.仮に...筋交いを切る必要性があるなら「耐力」が落ちた分を他の壁で補強する必要があります.
10年程前に地元では名の通る工務店が設計施工したそうです.問題点は筋交いを取ると言う危険な行為を「設計した設計者,指示した現場監督がいること」「設計者も監督も建築主にリスクを説明していないこと」「施工してしまった大工さんがいる事」なのです.常識、プロ意識、モラルがある人が一人でもいたらストップを掛けれた事なのですが止めるどころか完成させてしまっていることです.これがリフォーム業界,建築業界のある(裏の)一面なのです.
規格や指定がないから自由,そしてフルサポート
建築家(設計事務所)と共に行うリフォームは選択肢が無限です.メーカーの指定もありません.キッチンや浴室等の仕様も希望のものとすることが可能です.業者選びも数社から見積りをとって最適な業者を選ぶことができます.施工業者との契約から引渡しまで,建築家(設計事務所)が全て対応します.構造的な問題,法律的な問題,インテリア計画,デザイン業務.各種申請業務等をトータルでサポートします.
「設計事務所のメリット」もご覧ください。
住宅,古民家再生,店舗,アパート,マンションまで
住宅の部分的なリフォームから,古民家再生,賃貸マンションの付加価値対応リフォーム,耐震補強リフォーム,介護リフォーム,高齢者対応バリアフリーリフォーム,省エネや防犯リフォーム等増改築の多様なご要望にお応えすることができます.耐震上の構造的な問題,断熱性能の向上,キッチン空間の提案,洗面所や浴室の提案,インテリア家具やブラインドや照明器具の提案,木や塗料や塗り壁等の素材へのこだわり,価値あるデザイン提案等をトータルでサポートします.
「リフォームの施工例」もご覧ください。
自然素材によるリフォームをお勧めします!
人に優しい素材で出来た空間は,科学建材,ビニール素材で覆われた空間とは,見た目は同じでも感じるものが違います.空気が違います.心地よさが違います.
裸足で歩いて気持ちいい床,赤ちゃんやペットが舐めても大丈夫な素材,呼吸する素材でリフォームしませんか?いい空間はいい素材,人に優しい素材から生まれます,
「自然素材・左官」については、こちらのページもご覧ください。
リフォームの設計監理料
設計監理料はリフォーム施工床面積(坪)に対して6万円〜7万(税別),最低設計料85万円(税別)ですが,まずは相談下さい.
例)対象床面積が70平米(約21坪)の一戸建てまたはマンションの一般的な設計業務の場合
・キッチン、浴室(ユニットバス)などの改修含む.
・外壁、屋根の改修なし.
・確認申請等の諸手続き不要.
・構造設計の変更なし
・近隣関係の問題なし の場合.
21坪×6万=126万円(税別)
+現地調査測量+作図代:約 5万円 :既存設計図がある場合
+現地調査測量+作図代:約10万円 :既存設計図がない場合
+交通費(遠距離の場合:20〜30往復分の実費)
例)対象床面積が100平米(約30.2坪)の一戸建てまたはマンションの難解な設計業務の場合
・キッチン(オーダーキッチン可能)
・浴室(在来浴室可能)などの改修含む.
・外壁の改修、屋根の改修含む.
・確認申請等の諸手続き不要.
・増改築複合設計,異構造複合設計 の場合.
30.2坪×7万=211.4万円(税別)
+現地調査測量+作図代:約 5万円 :既存設計図がある場合
+現地調査測量+作図代:約10万円 :既存設計図がない場合
+交通費(遠距離の場合:20〜30往復分の実費)
+確認申請諸手続き費用,(申請費別途):約10万円 :申請が必要な場合
別途
+構造設計費(必要な場合、外注:実費)
+外構図 (2枚までの費用を基本設計料に含む:3枚目以降は実費)
+近隣関係の調整費用(実費)
お話を聞き、現地を見て改めてお見積もりをします。
リフォームの施工例
リフォーム施工例1
【リビング空間のリフォーム例】リビング空間とキッチン空間が仕切られ暗く閉鎖的だったリビングとキッチンの空間を一体にして広く明るくしました.天井は間接照明を新たに計画し天井の浮遊感を演出,テレビ台となる飾り棚を造作家具として計画しています.床のフローリングも張替え,壁天井は自然素材の石灰モルタルを塗ってます.
【キッチンのリフォーム例】今まで独立した個室だったキッチンをオープンキッチンにしました.構造的に問題ない事を確認出来たから可能になった判断です.今までと全く違う明るいキッチンになりました.
【洗面化粧室のリフォーム例】水まわり空間はリフォームしたい一番象徴的なスペースです.デザイン,インテリア性を重視するか,実用性を重視するかの判断がポイントです.このスペースは洗濯機置場もあり実用性を最優先しながらガラストップのカウンターをアクセントにしています.
【パウダールームのリフォーム例】奥にトイレ+シンク.前室にシンクという構成のリフォームです.白を基調とし清潔感,明るさを演出しています.造作家具をウェンゲ色で塗り空間を引き締め,壁天井は自然素材の石灰モルタルを左官仕上げで塗り柔らかさを演出しています.
2004.3竣工 「三鷹市深大寺の家」写真は,バウハウスネオ 後関氏
リフォーム施工例2
木造のワンルーム仕様のアパート2戸リフォームして1室の店舗(宝石店)にするプロジェクト.外観はアパートらしさを消し去る事がテーマ.
暖色系の石灰モルタルの左官仕上げと2階の住居との区別をつける目的で照明ボックスを計画しています.
室内は2室のワンルームを1室にした際に残った柱(構造上撤去出来ない)を肉付けしオブジェのように造形的にデザインしました.青い色はラピスラズリの原石を粉状にして塗り磨き上げたもの.宝石店のイメージから円形のモチーフの開口,色付きのガラスブロックやダウンライトをランダムに配置しています.
2002.4竣工 「自由が丘の宝石店」写真は,バウハウスネオ 後関氏
リフォーム相談,住宅増改築相談,建築相談に対応します:米村和夫建築アトリエ/風のアトリエ
リフォーム業者の落とし穴
ちょっと違うのが...リフォーム業界!
最初に,良識のある有能な業者さんもいることをお伝えします.
しかし,訪問販売によるリフォーム工事のトラブルはあとを断たないことはご存知の事と思います.お年寄りや立場の弱い方を狙った悪質な事件を建築士として,技術者として放っておくわけにはいきません.
悪質な業者の手口はインターネットで検索すれば多数でてきますのである程度は未然に防ぐ事は可能です.
私も今までにリフォーム業者と仕事をしたこともありますし,また建築紛争相談も数多く対応しました.その結果次のような傾向があると思います,
(1)建築の専門家でない素人の経営者が多い事.
”素人”と言うと語弊があるかもしれないですが,建築士の資格や施工管理技師の資格は保持していない.建築学科を卒業していないことや建材メーカーやハウスメーカーの営業出身者などが多いように感じます.リフォーム業への算入をビジネスチャンス,儲けれるとの認識が強く,ものづくりへの視点や情熱が欠如している傾向があります.
(2)特に訪問販売系(外壁塗装や耐震補強,シロアリ)の営業マンは個性的,
一つの理由はフルコミッション(100%歩合制)で雇われていることが多いです,フルコミッションが悪いのではないのですが固定収入がないのでギラギラしていることが多いです.建築に対する総合的な知識が無いこと.特に構造的な問題点や他の工事との複合的な話になるとそのばしのぎの答え方になります.
(3)インテリアコーディネーター資格は建築士の資格ではない.
インテリアコーディネーターの資格は通商産業省管轄の公益法人インテリア産業協会認定の資格.実務経験は関係なく誰でも受験可能な資格です.1級建築士は国土交通省の国土交通大臣の認定する資格,2級建築士は都道府県知事の発行する資格.受験するためには大学,専門学校等で建築の学問を修得し実務経験が必要となります.(例外により実務経験だけで受験する事も可能)インテリアコーディネーターの試験には構造力学の応用的な問題も無く総合的に建築をコーディネートして,方針をたて,判断するには限界があるのが事実なのです.
建設業界の中でも,「総合建設業(建設会社,工務店)」と「リフォーム業界」とは溝があります.その理由が上記の事であり,ものつくる精神のギャップなのかもしれません.
外壁だけ数百万円掛けて塗装し,きれいにしたものの,防水上の問題点を触れずに数年後に全てをやり直した事例を体験した事があります.建築は施工も設計も総合的な知識と判断が必要です.見積りでいくら値引きしてもらっても得かどうかはすぐには判断出来ないと思います.
建築家に依頼することのメリット
メリットが多い...!
リフォームを思い立った時にいくつかの方法が考えられます,「建築家に頼むなんて」「設計料が高い」など想像されがちですが,メリットをお伝えします.
(1)建築の専門家であること,利益の代理人であること.
独立した設計事務所を営む建築家の第一の任務は,依頼主の利益を守る事です.裁判で言う弁護士の存在と同じです.代理人がいることによって,工事契約書となる不利にならない図面ができる事,細かい仕様まで明記できる事,それによって適正な見積りがでること,工事金額の詳細の交渉,減額の交渉が出来る事,工事現場での施工状況の確認ができ,手抜き工事,欠陥工事が防げる事,現場での変更にもトラブル無く対応できる事,アフターメンテナンスにおいても施工会社とのコミュニケーションが潤滑にできる事などです.
(2)考える時間,検討する自由があること.
たとえばキッチンを考えたとき,施工会社,リフォーム会社に依頼した場合「A社のBシリーズで」となります.水回り,フローリング,壁紙,等等,取引上の決まったレールの上に乗っていく事になります.または選択肢を程よく狭めることで時間を短縮する経費上のメリットもあります.建築家に頼んだ場合,しがらみがないので選択肢はフリーです.何社でもショールームを見に行き検討する事も可能ですしオーダーで作る事も可能です,またはコストパフォーマンスの高いのはどこか?という選択肢でも検討可能です,工期と予算の範囲で納得のいくまでプランを検討し,仕様を検討し,コストを検討する自由があります.
(3)施工会社を選べる自由.
「まず見積りを」と言いますが見積りをするためには図面が必要です,図面も枚数が増えること,仕様を書き込んでいくことによって金額の精度があがります.その状況なくしての見積りではなく概算でしかありません.建築家主導で進める工事の場合、施工会社は特定する必要は無く見積り金額や,見積り時の質疑等のやりとりから解る姿勢や誠意,施工事例の確認などからトータルに判断する事が可能です.または建築家の一番信頼のある施工会社と組んで進める方法もあります.
(4)デザイン
デザインの良さは建築家個人の感性と努力によるものであり,(他社や施工会社が)ある程度の”マネ”をすることはできますが中途半端なマネに終わります.車選びもファッションもレストラン選びも同じです,中途半端なものを選ぶと結局後悔をするのが現実なのです.理由はデザインは考え(=背骨,軸,思想)があってのもので,空間デザインは部分(=考え)の蓄積だからです.安いお買い物ではないだけに建築家とのリフォーム計画を検討する価値は十分にあります.
(5)提案力
デザイン力と同時に欠かせないのが提案力です.例えば,5年後,10年後どうなっていくか?家族構成の変化にどう対応するか?介護について,老後の生活について,バリアフリーについて,水回りの将来の変化に対する対応,ペット共生についてなどの考慮をすることによって設計の仕方が変わっていきます.現状の機能だけを満足することはある程度可能ですがそれだけではないと思います.また,設計とは単に“機能的アプローチによる設計”だけではありません.“法的なアプローチによる設計”も“構造的アプローチによる設計”も”コストによるアプローチによる設計”もどれも条件をクリアしていないと成立しません.トータルで考え,そしてデザイン力を付加するのが建築家の役割です,