ひばりが丘の家
空間を縦につなぐ2つの鉄骨階段のある家
住宅地の中に畑の風景も見られる、自然豊かな西東京市のひばりが丘にある住宅です。敷地の条件から3階建てとし、空間を立体的に活用しています。
特徴的なのは、2種類の鉄骨階段です。小さいお子さんのために”かっこいい家”をつくりたいというご要望により、1階から2階、2階から3階を別々の種類の鉄骨階段でつなぐことになりました。
鉄骨階段と吹き抜けを介して上下階が一体感を持つ構造とし、家族が分断されないようにしました。
1階は、家族がくつろぐスペース。そこから階段を経由して、2階に家族共有の勉強部屋(スタディコーナー)を設けています。
スタディコーナーは吹き抜けとつながっているため、1階のキッチンで料理を作っていても会話ができます。スタディコーナーの隣を子ども部屋にしました。
3階は、広い屋根裏空間を活用した収納スペースと主寝室があります。
鉄骨階段は現場で組み立てることができないため、工場で組み立てたものを、建物の骨組みづくりの段階で吊り込んでいます。
1階と2階をつなぐのは、鉄板を折り曲げたような、薄くて軽く見える階段。実際には下から補強しているため、もちろん強度は十分です。
本が大好きだという建築主のために、壁側には天井まで届く本棚を設置し、階段を上るたびに本の横を通れるようにしました。
2階と3階をつなぐのは、軽やかな印象で室内に溶け込む螺旋階段。真ん中の柱が支えとなり、十分な強度を保っています。
撮影:BAUHAUSNEO 後関勝也