箱根仙石原の森の中の家
森に囲まれた暮らしを快適に楽しむための別荘
建築主のご両親が箱根・仙石原の森の中に持っていた別荘の建て替えをご依頼いただきました。
仙石原エリアは湿気が多いため、以前の別荘内部は湿気からくるカビや結露が耐えませんでした。また、少し放置すると樹木や雑草が生い茂り、ジャングルのような状態になってしまいます。
建築主はこのような状況に悩んでいたため、設計にあたっては第一に「湿気対策」、第二に「自然環境からの隔離(ジャングル化されないこと)」を求めていました。
そこで、新しい別荘は基礎の鉄筋コンクリートの立ち上がりを1m高く確保することで、湿気や虫の侵入を防ぐようにしました。
また、建物の気密性を高めるとともに、湿気に弱い建材を外装に使わないことや、室内の空気を循環させて除湿して排出することなど、万全の対策を講じています。
そして、気を許すと迫り来る自然の猛威(樹木や雑草)から建物を守るために、円形のコンクリート製の壁を作りました。「この中は自分たちのエリア」という結界をイメージしています。
円形のモチーフは建物の外形や内装にも反映されています。
仙石原の自然環境を熟知している当事務所では、建物の内部にも工夫を凝らし、自然と共存できるように設計しました。
自然と対峙しなくてはならないのが別荘ライフの宿命ですが、だからこそ自然の中での生活を楽しむことができると考えています。
撮影:BAUHAUSNEO 後関勝也